集中治療を勉強

集中治療をメインに医学知識の備考録です。

敗血症でのAKIに対するRRTのタイミング

Timing of Renal-Replacement Therapy in Patients with Acute Kidney Injury and Sepsis
N Engl J Med 2018;379:1431-42.
DOI: 10.1056/NEJMoa1803213
Abstract
◯方法
・多施設ランダム化試験
・RIFLE分類でfailure stageの患者でAKIに関連した致死的合併症がない早期敗血症性ショック患者
failure-stage acute kidney injuryと診断されてから12時間以内の群(early strategy)か、腎機能回復が起きなければ48時間後に行う群 (delayed strategy).
・primary outcomeは90日以内の死亡
◯結果
・2回目の中間解析で無益性のため早期中止
・488人がランダム化
・ベースラインに両群で有意差なし
・477人が90日間のフォローアップを受けて、the early- strategy groupで58%が (138 of 239 patients)、the delayed-strategy groupで 54%が (128 of 238 patients)死亡(P=0.38)
・the delayed-strategy groupで38% (93 patients)がRRTを受けなかった
・the delayed-strategy groupで緊急透析の基準を満たしたものは17%であった(41 patients)
◯結論
・敗血症で重症AKI患者にRRTを早期に行っても晩期に行っても90日死亡率に有意差はなし
 
controversialな結果となっているAKIに対する早期RRT。早期中止されている点はweak pointであるが、ある程度質の高いRCT。先行研究(RCT→特にAKIKI study、メタアナリシス)を加味すると少なくとも敗血症に対する早期RRTが有用である可能性は低いであろう。