集中治療を勉強

集中治療をメインに医学知識の備考録です。

NIVを用いた早期抜管RCT

Early extubation followed by immediate noninvasive ventilation vs. standard extubation in hypoxemic patients: a randomized clinical trial
Intensive Care Med (2019) 45:62–71
Abstract
◯目的
・NIVは高二酸化炭素血症の患者でinvasive mechanical ventilation(i-MV)の撤退を促進し、ICU滞在期間を短くするかもしれない。しかし、低酸素血症の患者においてはデータが欠如している。
・早期抜管後のNIVは急性低酸素性呼吸不全患者でi-MVとICU滞在期間を減らすかどうか検討することが目的
◯方法
・non-hypercapnic hypoxemic patientsを早期抜管後NIV or standard extubationにランダム化
・co-primary end points→i-MVとICU滞在期間
・secondary end points→treatment failure, severe events (hemorrhagic, septic, cardiac, renal or neurologic episodes, pneumothorax or pulmonary embolism), ventilator-associated pneumonia (VAP) or tracheobronchitis (VAT), tracheotomy, percent of patients receiving sedation after study enrollment, hospital LOS, and ICU and hospital mortality.
◯結果
・130人をランダム化→65人がNIV群、65人がコントロール
・i-MVの期間はNIV群で有意に短い[4.0 (3.0–7.0) vs. 5.5 (4.0–9.0) days, respectively, p = 0.004]
・しかし、ICU滞在期間は有意差なし [8.0 (6.0–12.0) vs. 9.0 (6.5–12.5) days, respectively (p = 0.259)]
・VAT or VAP発生率(9% vs. 25%, p = 0.019)、enrollment後の鎮静薬の必要な患者の割合(57% vs. 85%, p = 0.001)、病院滞在期間20 (13–32) vs. 27(18–39) days (p = 0.043はNIV群で有意に短かった
ICU・院内死亡率、治療失敗・severe events・気管切開の数は有意差なし
◯結論
・highly selected hypoxemic patientsで、早期抜管後のNIVではi-MV気管を短縮する
 
二酸化炭素血症がない挿管患者をNIVを用いて早期抜管したら侵襲的人工呼吸期間(いわゆる挿管期間)が短くなったというRCT。2018年JAMAのBreathe trialと似ているがJAMAではSBT失敗した挿管患者を対象としておりその点では異なるが結果はほぼ同等。
盲検化できないこと、除外患者が多い(理由は正当である)点を除けば質の高いRCT。Breatheと違いちゃんとprimary outcoemを達成しているしimpactもある研究。もっといいjournalに掲載されてもいい気はします。
予防的NIVから今後はNIVを用いた早期抜管へと流れがシフトしていく気がします。より大規模RCTが望まれます。